緒臣くんのキケンな誘惑。




あの言葉の意味、そういうことだったの……っ?
じゃあやっぱり全部分かってたんだ……っ。

でも確かに、さっきとは違って女の子達の私に対しての言葉が聞こえてこない。


みんな緒臣くんの顔色をうかがっているのだろう。
たまに見せる緒臣くんの周りを牽制するような目線や表情はとんでもなく冷たいから。

守ってくれてるのかもしれないけど……緒臣くんさすがに怖いかも……っ!!


「お、緒臣くん……っ!教室行こう……っ?」

「…そうだね」


これ以上は私の冷や汗が止まらなくなると思い、そう声をかけると私を見て表情が戻った緒臣くんは頷いてくれた。


今度こそ靴を履き替えると、緒臣くんも靴を履き替えて私のところにやってきて。

そのままさりげなく私の手を取って歩き出した。


「ちょ、緒臣くん……っ!?」

「んー?」




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