緒臣くんのキケンな誘惑。




確かにお淑やかとは程遠いけど。
しょうがないから褒め言葉ってことで大目に見てあげるよ。

ニヤニヤと笑うお母さんを横目に、フンっとまたご飯を食べるのを再開した。


それからご飯を食べ終えて準備をする。

前髪にアイロンを通してくしで整えること約十分。
女子高生には前髪が命なんだから!


「ちょっと紫夕ー?時間大丈夫なの?」

「もう行くー!」


洗面所にいる私にリビングから声をかけてくるお母さん。
お母さんに聞こえる声量で返事を返すと、私は洗面所から離れた。

リビングに置いてあるスクールバッグとスマホを手に持って玄関に行く。


「行ってきまーす!」

「行ってらっしゃい」


ローファーを履いてお母さんに声をかけ学校に向かった。



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いつものように二年二組の教室に入ると、


「あ、おっはよー紫夕!」

「おはよう!」



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