緒臣くんのキケンな誘惑。
私の言いたいことわかってるくせに、なんで知らんぷりするの……っ!!
繋がれた手を見つめて恥ずかしくなるが、手がビクともしなくてどうしようもない。
……っもうなんなの……っ、朝から刺激強すぎだよ〜っ!!!
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「おはよっ紫夕!」
「おはよう……」
教室に入って自分の席に行くと、既に来ていた三人が挨拶をしてきた。
二組まで送ろうとする緒臣くんを無理やり四組に押し込んでから逃げてきたのだ。
クラスの子まで私を敵対視してくるとか、絶対嫌だもん……!なんて、もう遅い気もするけど……。
朝から無駄に体力を使って疲れながら荷物を置くと、三人はそんな私の様子に気づいたようで。
「どうしたどうした〜?」
「……さっき、緒臣くんと……」
「「「緒臣くんと!?!?」」」
「しーっ!!!騒がないで!!」