緒臣くんのキケンな誘惑。
私の席を囲むように座りながら話をしていた女子三人の姿。
私もそこに向かい荷物を置いて座る。
「なんの話してたの?」
「音寧(ねね)がずっと少女漫画語りしてんの」
「昨日読み始めた漫画がほんっとうにキュンキュンするんだもん!ちょっと紫夕にも聞いてほしい!」
「えっなにそれ気になる!」
音寧の話が気になって前のめりになる。
私含めたこの四人は高校一年生の時からのイツメンで。
一番最初に挨拶してきた子は鶴見芹奈(つるみ せりな)ちゃん。
音寧を見ながら呆れたため息をついたのが小川愛海(おがわ あみ)ちゃん。
そして少女漫画で興奮しているのが千里音寧(ちさと ねね)ちゃん。
芹奈とは幼稚園からの親友で、愛海と音寧は高校入学してから仲良くなった。
愛海と音寧は私と芹奈のように幼稚園からの親友。
入学してから私と愛海、芹奈と音寧が番号順で前後だったため自然と仲良くなり今に至る。