緒臣くんのキケンな誘惑。
じゃ、じゃあ……休み時間に非常階段にいた理由って……女の子と関わりたくないから?
女の子が嫌いなのに、入り待ちも出待ちもされるって……相当苦痛なんじゃ……っ。
……あれ、そういえば。
三人が言ってたよね?積極的な女の子にボディタッチされそうな時、いつも避けてるって。女の子に触れてるところ見たことないって。
それも全部全部、嫌いで鳥肌が止まらなくなるから……?
「そ、そんな……なんで……」
「…昔からこの容姿のせいで、誘拐されそうになったこともあるし、女にストーカーされたこともある」
「……!」
その理由で十分だ。
顔を歪めた緒臣くんに、ズキズキと胸が痛む。
私はてっきり緒臣くんは女の子慣れしてると思ってた。
『俺慣れてないよ?』って言葉、本当だったんだ。
「あー……最悪、軽い感じで話そうと思ってたのにな」
「…っ」
「俺は紫夕と違って優しくないから……さっきだって」