緒臣くんのキケンな誘惑。




「あ、安堂さん……っ!!」

「……なによ」

「心強い……っ、好きです……っ!!」

「…っ、はあ!?気持ち悪い!!」


感動して目をうるうるさせながら安堂さんに近づくと、安堂さんは顔をゆがめていた。
でもそんなことは気にしない。なんてかっこいいのこの人……っ!!


「っ、とにかく、私が緒臣くんを諦めたこと、後悔させないでよね……!」

「っえ?!それって、私関係あるの……っ!?」

「当たり前でしょ!だって、明らかに緒臣くんは─────っ」


何を言ってるんだ、というような目をして安堂さんは私にそう言いかけたとき。

急に後ろから肩に手を置かれて、引き寄せられた。

…っえ、なに……っ!?


「ストップ。それ以上は言わないで」

「…っ、緒臣くん……っ!?」


その声に、驚いて顔だけ後ろを振り向くとそこには緒臣くんの姿があった。

安堂さん達は驚いたように目を見開いている。




< 83 / 214 >

この作品をシェア

pagetop