緒臣くんのキケンな誘惑。




そんな私たちを見ていた周りの女の子達が小さい声でザワザワとしだした。


「緒臣くんとあの女距離近すぎじゃない……!?」

「目の前に安堂さんもいるのに……!」


全部丸聞こえの会話に、う……っと言葉が詰まる。

すると、目の前にいた安堂さんが少し不機嫌そうな顔でため息をついて。


「はぁ……さっきからうるさいわね。あなたたちに口出しする権利ないのよ」


そう周りを睨むように見ながら呟いた。
それに、周りの子達は気まずそうに顔を逸らしている。

安堂さん、威圧感が……すごい。


「ごめんね安堂さん……」

「…別にいいわ。味方してあげるって言ったでしょ」


でもこれじゃあ安堂さんが悪者になっちゃうんじゃ……。
そう思って目線をやると、安堂さんの周りの女の子達は私に笑顔を向けていた。




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