もう誰にも恋なんてしないと誓った
4 自慢したかった◆アイリス
わたしは、サザーランド侯爵家長男のオースティン・グローバー様が好きだった。
わたしより4歳年上のオースティンお兄様と同い年のキャメロンのグローバー兄弟は、わたしの幼馴染みになる。
侯爵家と子爵家の爵位の違いはあったが、オースティンお兄様のお母様が亡くなって、後妻に入られたキャメロンのお母様がわたしの母と親友だった。
そう言うわけで、わたしと弟は格上のグローバー家に出入りを許されていた。
グローバー家の子供は男兄弟だけしか居ないので、侯爵ご夫妻はわたしを娘のように可愛がってくださった。
弟のダレルは中等部に入った頃から、名門の侯爵家に対して気後れが出てきたようで、母に同伴して遊びに行かせて貰うことを遠慮するようになっていたけれど、わたしは成人しても幼い頃と変わらず、侯爵家を親戚の様に思っていた。
現にわたしの成人……デビュタントで国王陛下にお目通りした際には、両親の他に侯爵夫人のセーラ様が付き添って、わたしの後ろ楯だと周囲に知らしめてくださった。
「可愛いアイリスが本当に娘になってくれたらいいのに」
セーラ様が優しく微笑みながら、わたしの髪を編んでくれる。
娘になってくれたら、と度々口にするセーラ様の頭の中には、キャメロンとわたしの結婚があったのだと思う。
……いくら、わたしを娘のように思ってくださっていても。
さすがに子爵家の娘では、侯爵家の後継者であるオースティンお兄様の妻にさせるわけにはいかないのだろう。
わたしより4歳年上のオースティンお兄様と同い年のキャメロンのグローバー兄弟は、わたしの幼馴染みになる。
侯爵家と子爵家の爵位の違いはあったが、オースティンお兄様のお母様が亡くなって、後妻に入られたキャメロンのお母様がわたしの母と親友だった。
そう言うわけで、わたしと弟は格上のグローバー家に出入りを許されていた。
グローバー家の子供は男兄弟だけしか居ないので、侯爵ご夫妻はわたしを娘のように可愛がってくださった。
弟のダレルは中等部に入った頃から、名門の侯爵家に対して気後れが出てきたようで、母に同伴して遊びに行かせて貰うことを遠慮するようになっていたけれど、わたしは成人しても幼い頃と変わらず、侯爵家を親戚の様に思っていた。
現にわたしの成人……デビュタントで国王陛下にお目通りした際には、両親の他に侯爵夫人のセーラ様が付き添って、わたしの後ろ楯だと周囲に知らしめてくださった。
「可愛いアイリスが本当に娘になってくれたらいいのに」
セーラ様が優しく微笑みながら、わたしの髪を編んでくれる。
娘になってくれたら、と度々口にするセーラ様の頭の中には、キャメロンとわたしの結婚があったのだと思う。
……いくら、わたしを娘のように思ってくださっていても。
さすがに子爵家の娘では、侯爵家の後継者であるオースティンお兄様の妻にさせるわけにはいかないのだろう。