断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 どのみちわたしには興味のない話だ。仮に山田が雰囲気イケメンになったとしても、わたしの対応が変わるわけもない。

(わたしが求めるのは本物のイケメンよ)

 それも甘いマスクの外国人系イケメンだ。お金には不自由していないし、わざわざ山田を選ぶ理由が見当たらない。

「おかしな言いがかりは止めて。好きでもない男から公衆の面前で愛を叫ばれたのよ? 恥ずかしかったのはむしろこっちの方よ」
「愛なんて叫んでないっ! 山田先輩が愛してるのはゆいなだけだもんっ」

 ふーふーと涙目になっている。あーはいはい、演技おつ。

「だったら好きに愛をはぐくんで」

 面倒くさくなり、さっさとゆいなに背を向けた。

「山田先輩を振るなんてバカなおんなっ」
「わたしは金の亡者じゃないの。長谷川、あんたみたいにね」
「なっ!」

 周りにいた女子たちから一斉に失笑が漏れた。ゆいなが財力目当てで山田を狙っているなんてのは、すでに周知のことらしい。

 階段を降りようとした瞬間、般若の形相のゆいながつかみかかってくる。

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