断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「シュン様、眼鏡に虫が……」

 これを口実にして眼鏡をはずしてもらえれば……。
 って思ったのに、てんとう虫はすぐに飛び立ってしまった。

「ん? わたしの眼鏡がどうかしたか?」
「いえ、少々レンズが汚れているようですから、わたくしが」

 拭いてさしあげますわ。と言うつもりだったのに。

「おお、そうか」

 うなずくと、山田は眼鏡に向かって浄化魔法をぺろっとかけた。おかげで瓶底の表面がピッカピカに輝いてるし。

「ハナコは気が利くな」
「そういったわけでは……」
「いや、そこまできちんと見ていてくれているのだな。わたしもうれしいぞ」

 なんでそうなるっ。お前の頭ん中はお花畑かっ。

 まだるっこしい手段取るよりも、ここはストレートに山田の素顔が見たいって言った方が早いな。
 でもなんて言う?
 そんなことお願いしたら、ますます山田が増長しそう。

 もうめんどいなっ。未希が怖いから、なんとしても素顔を拝まないとなんないけどっ。

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