断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「はい、シュン様。お待たせいたしましたわ」

 うをっ、近くで見るとますますコワイ顔してんな。
 直視できないレベルのオソロシサなんですけど。
 (がん)をつけるように下から睨み上げられる。思わず目を逸らしながら眼鏡を差し出した。

「ハナコはやはり気が利くな」
「ほほほ、あまりうまく拭き取れませんでしたけれど」

 すちゃっと装着すると、山田はいつもの瓶底眼鏡に戻った。
 眉間のシワも消えて、ようやくほっとできたって感じ。

 しかしなんで未希も健太も、山田の素顔にこだわってたんだろう?
 そこら辺はナゾなまま、ミッションコンプリートってことで。

「シュン王子殿下!」

 そんなときひとりの近衛兵が山田の元に駆け寄ってきた。
 ってか、マサト・コーガ!?

 そっか、マサトってば山田の護衛してたんだっけ。別にお城にいてもおかしくはないか。
 それにしてもマサトのヤツ、やけに険しい顔してるんですけど。

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