断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 わたしがいることに気がつきつつも、何やら山田に耳打ちしてる。山田は山田で神妙な顔してマサトの言葉にうなずいてるし。

「分かった。マサトは先に現場に戻っていてくれ」
「仰せのままに」

 一礼してマサトは駆け足で戻っていった。
 やっぱお城ではマサトもちゃんと礼節守ってんだな。

「何か大変なことでもございましたの?」
「いや、ハナコが気にすることではない。心配は無用だ」

 言葉とは裏腹に、山田の表情はなんだかさえない感じ。
 ま、山田の言う通り、お城で起きたことを詮索できる立場ではないか。

「だがもう時間だ。残念だが今日はここでお開きにしよう」

 ヒャッハー、無事に乗り切ったぞ!
 ちょっぴり好感度上げちゃったけども。そこはもう考えても仕方ないや。

「本日はお招きありがとうございました。ビスキュイにも会えましたし、とても素敵な一日になりましたわ」
「ああ、わたしもハナコの顔が見られてうれしかった。次に会えるのは学園が始まってからになってしまうな」
「シュン様はお忙しいお立場ですもの。どうぞご無理だけはなさらないよう」

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