断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 ユイナを放置して、このあと何かあったら後味悪すぎだし。止めてくる護衛に毅然(きぜん)とした態度を貫いた。

「責任はすべてわたくしが取ります。あなたたちは何も心配することはないから安心なさい」

 押し切って、ユイナを馬車に乗り込ませた。
 走り出した馬車の中、誰も頼んでないとか余計なお世話だとか、ユイナが何やらぶつぶつ言ってるし。

「言いたいことがあるなら、はっきり言えばよろしいのよ?」
「……そのエラそうな態度、ハナコになってもほんとムカつく」

 小さな声でぼそっともらすと、ユイナは気だるそうにそっぽを向いた。
 ハナコのことをゲームキャラって思いつつも、森華子を重ねて見てるっぽいな。
 ユイナの中の人、やっぱ長谷川ゆいななんだな。そんなこと改めて思ってみたり。
 長谷川ってやたらと華子(わたし)を敵対視してたからね。

 モッリ家の屋敷に着くと、健太がいちばんに出迎えてくれた。
 お城に行くってんで、ずっと心配して待っててくれたみたい。

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