断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 アレならむしろ、瓶底眼鏡のまんまでいてくれって思うもん。
 日本の山田がコンタクトにしなかったのも、きっとそのせいなんだって納得したし。
 だってあの山田が歩いてたら、すれ違っただけで子供が泣くでしょ。
 それに「(ガン)つけとんのかワレぇ?」とか言って、本職のヒトたちに因縁(いんねん)とかつけられちゃいそう。

「ふうん? 極道、ね」
「まさかそんなハズは……」

 あんま興味なさげな未希の横で、なぜか健太が落胆してる。

「ま、強面(こわもて)だったのはわたしも意外だったけど。健太はこれで納得ね?」
「うん、しょうがないけど、未希姉ぇ分かったよ」

 ナニソレ。わたしには良く分かんない。

「ねぇ、ふたりとも。この前からなんなの? そのやり取り気になるんだけど」
「今の華子には関係のないことよ。そうでしょ、健太?」
「うん」
「え、待って。ますますワケ分かんない。山田の素顔が一体何だっていうのよ?」
「王子の素顔は目つきの悪い極道。以上。おっけー?」

 未希にニッコリと返されて。それ以上は黙って引き下がるしかなかった。
 ってか、今のわたしには関係ないっていうことは、昔のわたしに関係してるってコト?
 そうは言っても、前世で山田の素顔なんか見たことなかったし。

< 170 / 413 >

この作品をシェア

pagetop