断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ひとりで入るのが怖いなら俺が付き合っても構わないが」
「まさか。わたくし、ああいったものには興味なくってよ」

 っていうか、お化け屋敷ってヒロインとダンジュウロウのイベントじゃなかったっけ?
 で、お化けを怖がるのはダンジュウロウの方。完璧主義な彼の意外な一面を見たヒロインが、やだ、この(ひと)かわいい、って距離が縮まるって展開だったはず。

「そうか? 別に遠慮はいらないんだが……」
「ほほほ、強がらなくてはいけない殿方もたいへんですわね。中には怖がりな方もいるでしょう?」

 おっと、余計なこと言っちゃった。
 ダンジュウロウの内情は知らないフリしとかないと。

「いや、先ほど一度入ったからな。道順も脅かされるタイミングもすべて把握済みだ。それが分かっていればどうということはない」

 ってか、すでにユイナとイベント消化済みですかい。
 ユイナって本当に節操なくイベントこなしてんのね。

 夏休みにもダンジュウロウと公園デートイベントがあったって健太が言ってたし。
 急に揺れたボートの上で抱きしめ合いながら、いい感じでふたり見つめ合ってたって話。

 ん? 考えてみると、健太ってば夏休み中ずっといちゃつくカップルのぞき見してたんか。
 マサトの海水浴イベントもそうだけど、姉ちゃんのためにむなしい思いさせちゃってごめんよっ。

< 181 / 413 >

この作品をシェア

pagetop