断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第34話 強制力と山田の思い
そして、場所は体育館。
チケットのない未希は入り口で待機中。
すでに中は薄暗くって、舞台裏からスモークが焚かれてる。さすが貴族の通う学園って感じだよね。無駄にお金がかかってるし。
座席はぜんぶ自由席で、前の方はほとんど埋まってた。
あ、後ろのあの席空いてるみたい。あそこなら目立たないし、出口にも近くてなかなかいいポジションそう。
「こちらのお席は空いていまして?」
「空いておりますゆえ、どうぞおかけくだされ。おや? あなたはいつぞやのお嬢さん」
げっ、何気なく声かけたら保健医のヨボじいだった!
存在自体忘れかけてたけど、ヨボじいも攻略対象なんだよね。聞いた手前、他に移動するのも失礼かな。
「まぁ、先生もいらしてたのですね」
「滅多にない機会ですからな。立場を使ってチケットを押さえましたのじゃ。なんとか譲ってくれないかと生徒たちにしつこく頼まれましてのぅ」
かっかっか、と笑うヨボじい。
こんなことになるならわたしも自分で取っとけばよかったな。山田からのチケットじゃなければ、土壇場で誰かに譲るって手も取れたのに。
チケットのない未希は入り口で待機中。
すでに中は薄暗くって、舞台裏からスモークが焚かれてる。さすが貴族の通う学園って感じだよね。無駄にお金がかかってるし。
座席はぜんぶ自由席で、前の方はほとんど埋まってた。
あ、後ろのあの席空いてるみたい。あそこなら目立たないし、出口にも近くてなかなかいいポジションそう。
「こちらのお席は空いていまして?」
「空いておりますゆえ、どうぞおかけくだされ。おや? あなたはいつぞやのお嬢さん」
げっ、何気なく声かけたら保健医のヨボじいだった!
存在自体忘れかけてたけど、ヨボじいも攻略対象なんだよね。聞いた手前、他に移動するのも失礼かな。
「まぁ、先生もいらしてたのですね」
「滅多にない機会ですからな。立場を使ってチケットを押さえましたのじゃ。なんとか譲ってくれないかと生徒たちにしつこく頼まれましてのぅ」
かっかっか、と笑うヨボじい。
こんなことになるならわたしも自分で取っとけばよかったな。山田からのチケットじゃなければ、土壇場で誰かに譲るって手も取れたのに。