断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「先生、わたくし、不敬罪に処されますかしら?」
「あれだけの数の目撃者がおることですし、ハナコ嬢が罰せられでもしたらそれこそシュン王子に非難が集まるでしょうな」

 本当にそうだったらいいんだけど。
 これがきっかけで、ギロチンエンドが加速したらどうしよう。

「心配せずとも、万が一そんなことになるようでしたら、このわしが黙っておりませんゆえ」

 不安げな顔してたからかな。ヨボじいがそんなことを言ってくれた。
 心強いんだけど、一介の保健医と一国の王子。どっちの立場が上かなんてのは明白で。
 いざとなったらヨボじいを巻き込まないよう気をつけなくっちゃ。

「ハナコ姉上!」

 いきなり健太が目の前に現れて。
 うおっ、びっくりしたっ。転移魔法って便利だけど心臓に悪いんだよね。
 心配して来てくれたんだな。健太ってば、ほんと姉思いのできた弟だ。

「わたくしなら大丈夫よ。なんだか劇を台無しにしてしまったわね。ごめんなさい」
「姉上が謝ることじゃない」

 ぶっきら棒に言う健太、ちょっと怒ってるみたい。
 わたしにって言うより、山田に対してなんだと思うけど。

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