断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「健太、それって何かの間違いじゃないの?」
「そうね。王子を誘惑したとかならまだしも、あのユイナがそんな高尚なこと企てるとは思えないわね」
「それなんだよ」
「それ?」

 ってどれ?

「シュン王子もユイナへの強制力に戸惑ってたんだと思う。で、どうやらその力を『ユイナが魅了の魔法を使ってるんじゃないか』って捉えたらしくって……」
「魅了の魔法……って国で禁止されてるのよね?」
「うん、禁忌の秘術って言われてる。昔、その力使って国王をたぶらかした女がいてさ。税金使いたい放題にして一度国が傾きかけたって話」
「だからユイナも掴まって取り調べ受けてるってわけか」
「俺もゲームの話とかするわけいかないしさ。ユイナの容疑を晴らそうにもできなくて……」

 そんなことしたら、ケンタまで共謀犯扱いされちゃいそう。

「ゲーム設定ではそんな力、ヒロインにはなかったよね?」
「多分」
「だったらうちらが動かなくっても、そのうち無罪放免になるんじゃない? でもよかったわね、華子」
「よかったって何が?」
「さすがにそんな容疑がかかるようなヒロインをさ、王子の嫁には迎えられないでしょう?」

 へ? ってことは?

「そっか、姉ちゃんのギロチンエンドの可能性はもうないってことか!」
「そゆこと」

 まじでか。この顔、胴体から離れずに済むんだ!

「え、でも待って。それじゃあ、山田とユイナをくっつけられないってこと……?」
「あんたの首が飛ぶよりましじゃないの」

 そ、それはそうなんだけど。

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