断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 とはいえ、あんま無理すると魔力切れで寝込むことになっちゃうしな。
 夜更かしは美容の大敵ってことで、今夜はもう寝ようっと。

「あ、魔石カイロが冷えてる」

 朝夕は寒くなってきたから、これがあった方が熟睡できるんだよね。
 一瞬メイドを呼ぼうとしたけど、もう遅い時間だし。
 以前のハナコなら真夜中だろうと気にはしなかったけど。新生ハナコとして、今夜は我慢するとしますか。

(あ、でも健太に頼むってのはどう?)

 さすがにこの時間なら部屋にいるだろうし、ユイナの件も気になってたし。
 もし寝てたら諦めればいいや。
 そんな軽い気持ちで健太の部屋に向かった。

「健太、こんな時間にごめんね? ちょっと頼みたいことがあるんだけど」

 控えめにノックしたけど返事はなくて。
 やっぱ寝ちゃってるのかな?
 なんとなくノブを回すと、鍵はかかっていなかった。

 部屋の電気は明るくて、まだ起きてるんだなって思った。健太って昔から、真っ暗にしないと寝られない子だったからね。

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