断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「で、健太。いつからこの子とこんななってたの?」
「本格的にゲームの話を持ち出したのはゆいなが釈放されたあと。学園祭前からも偵察がてら、ちょいちょい軽い相談には乗ってたんだけど」
「ひどいよ健太。相談もなしに勝手にこっちの事情をバラすだなんて」
「それともうちらに記憶があること、先に感づかれてたとか?」
「ううん、俺が話すまで、ゆいなはまったく気づいてなかったし」

 こんな状況でも冷静でいられる未希はさすがだな。だけど姉ちゃん的には、一体どういうつもりってなるのは当然で。

 あ、いま長谷川にふふんってされた。
 なぁに、あの勝ち誇った顔っ。なんか浮気女に馬鹿にされた彼女の気分っ。

「じゃあなんで今まで黙ってたのよ? 逐一(ちくいち)報告するよう言ってたでしょ?」
「もう少しゆいなが落ち着いてから、ちゃんと話そうと思ってたんだ。姉ちゃんを断罪ざまぁから守る会はもう解散してたしさ」

 ゆいなが落ち着いてからって。
 どう見ても長谷川、ここで(くつろ)ぎまくってたんですけど?
 ってか、今まで開いてた作戦会議、いつからそんな名前だったんだ。

「けんたん、ゆいなのこと大事に思ってくれてありがとう♡」
「うん、ゆいなたんはこれからも俺が守るからね♡」
「やぁん、ゆいなうれぴ~」

 めきょっ、と聞きなれない音がして。
 見ると未希の足元の床がへこんでた。
 っていうか未希、破壊するのは健太の部屋だけにしといてよっ。

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