断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「健太、あんた真面目にやらないとしばき倒すわよ?」
「うわっ未希姉ぇ、いま全部話すから……! いててっ」

 未希、絶対零度の無表情だよ。
 にしても健太の傷、見てる方も痛いって思っちゃう。

「ねぇ未希、しゃべりにくそうだからとりあえず健太回復させたげて」
「仕方ないわね」

 目線で健太にありがとうって感じにされたけど。
 まだ許したってわけじゃないんだから。
 小悪魔ゆいなにコロッとまいっちゃうなんてさ、健太にはホント失望したし。ソコんとこきっちり説明してもらわないと。

「言っとくけど、俺、ゆいなに誘惑されたとかじゃないからね?」
「じゃあこの状況は一体なんだっていうのよ?」
「なんていうか、ゆいなの状況が俺たちが思ってたよか酷いことになっててさ」
「酷いこと? ああ、国に拘束されてた件ね」
「いや、その疑いはきちんと晴れたんだ。な、ゆいな」

 うんって小さく返した長谷川、なんかさっきよりしおらしくなってる。
 ってか、わたしと未希に泣き落としなんて通用しないわよ。

「だったらほかに何があるってのよ?」

 未希の言葉に、健太は一度長谷川の顔を見た。
 言ってもいいかと目で問う健太に、長谷川がこくりと頷き返す。なんかふたりだけの世界作ってて。
 健太ってばホントどうしちゃったの?
 完全に長谷川に(ほだ)されちゃってる様子に、姉ちゃんかなりショックなんですけど。

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