断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「今までは何やっても強制的にイベントが起きてたのに。今回に限って、イベント自体が起きなかったり回避できたりするようになったんです」
「それは華子が階段落ちしたあとから、急にそうなったってこと?」
「はい。ほかにはルート的に起きないはずのイベントが、ランダムに発生するようになってきたりもしてて。だからこのままゲームのシナリオから外れられれば、ループ地獄から抜け出せるかなって」

 それで山田のイベントボイコットしてたのか。
 うん、まぁ理由として一応は納得したって感じ、ではあるんだけど。

「でもその割に長谷川さ、あんたやけにわたしに対して挑戦的だったんじゃない?」

 山田といるときなんか、勝ち誇った顔で腕にしがみついてたし。

「だってぇ、いざとなったら華子先輩に負けるの悔しくなっちゃってぇ」

 だってぇ、じゃないわっ。
 いや、別に長谷川と山田を取り合うつもりはないから、どうでもいいっちゃいいんだけども。

「じゃあこれまで手当たり次第こなしてたイベントは、偶発的なものなのね?」
「シュン王子以外のイベントは、ヒマつぶしって感じです。だってイベント中はみんな、ゆいなのことチヤホヤしてくれるから♡」
「ゆいな……」

 あ、健太がなんだか情けない顔してる。
 ちょっといい気味。長谷川なんかにひっかかるからだよ。

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