断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「けんたん、心配しないで。王子たちはただの彼ぴっぴで、ゆいなの彼ぴはけんたんだけだから♡」
「うん俺、ちゃんとゆいなたんを信じてるよ♡」

 ドォウンッ、って地響きがして。
 未希の足元の床が、さっきよりも深くエグレてるんですけどっ。

「ま、大体のことは分かったわ。にしても健太、前はあんなにこの子のこと嫌ってたくせに、一体どんな心境の変化があったってわけ?」

 あ、ソレ、わたしも聞きたかったヤツ。
 だって前世でわたしが死んだきっかけ作ったの、長谷川だよ?
 この世界でだって、あれだけユイナから距離置こうとしてたのに。いくら今の境遇が可哀そうって分かったからって、そんなコロッといっちゃうなんて。

「俺だって初めはゆいなのこと敬遠してたさ。前世で姉ちゃんがあんなことになったのも、全部ゆいなのせいだったし」
「だったらなんでこうなってるのよ?」
「うん……なんて言うか、独りで健気(けなげ)に頑張ってるゆいな見てたら、なんだかほっとけなくなっちゃって」

 いやいやいや、だからって簡単に(ほだ)されすぎなんじゃない?
 この小悪魔に負けたかと思うと、姉ちゃん悲しすぎる。

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