断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ハナコはあのときユイナ・ハセガーに『どうして自分を突き落とさないんだ』って言われたんだよね?」
「うん、確かにそう言ってた。あと悪役令嬢はちゃんと仕事しろとかなんとか……」
「そう、じゃあユイナは前世の記憶あり確定ってことで」

 やっぱりか。
 でないとあんなセリフ出ないもんね。

「ハナコがゲーム通りに動かないから、あっちから接触を図ってきたってとこだろうね。悪役令嬢の嫌がらせでヒロインを突き落とすイベントがあったから」

 言いながら、ゲーム設定と現状の比較を記入する。

「自作自演でハナコ(わたし)に突き落とされたことにしようとしたってこと?」
「多分ね。でもユイナを助けようとしたハナコが、逆に転げ落ちてしまったと。あんたバカでしょ?」
「しょうがないじゃん! とっさに体が動いてたんだからっ」

 うう、未希ってばホント言葉に容赦ない。

「ま、おかげで()(ぎぬ)を着せられずに済んだよね。ショックで記憶も戻ったしさ、ここはユイナGJ(グッジョブ)ってことで」
「うん、まぁそうだよね。わたしが軽傷で済んだのも、ユイナが魔法で防御してくれたからだし……」

 元々ユイナは自分にその魔法を使うつもりだったんだろう。でないと自分から階段を転げ落ちようだなんて、怖すぎてできっこない。

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