断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 ハナコってば、世間ではそんなふうに思われてるの?
 公爵令嬢の立場的には鼻高(はなたか)だけど。
 だからと言って王妃になんてなりたくないし。

 ようやく断罪ざまぁを回避できそうってとこまでこぎつけたんだから、これ以上邪魔なんてされたくないよ。

 やだやだ、山田のせいで暗くなっちゃった。
 せっかく試験もパスできたし、ここは理想のイケメンでも想像して明るい気分をとりもどそうっと。

「あら? ハナコ様、何か良い夢でも見てらっしゃるのかしら?」
「ふふ、本当。とっても楽しそうな寝顔をされてますこと」

 ってか、起きるタイミング、完全に見失っちゃったしっ。

 なんて、割とのんきに過ごせてたんだけど。

 外の圧力と山田の悪あがき。
 その両方に苦しめられることになるだなんて、このときは夢にも思わなかったんだよね。

 まったく、クソデカため息だよっ。
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