断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「そうだ、姉ちゃん。そろそろシュン王子許してあげてくんない?」
「は? なんでよ? イヤに決まってるでしょ」
「そんなこと言わないでさ。シュン王子、あれ以来まったく使いものにならなくって。生徒会の執務が滞って、俺たち本当に困ってるんだ」

 ああ、取り巻き令嬢たちもそんなこと言ってたっけ。
 でもわたしには関係ないし。

「頼むよ、姉ちゃん。マサト先輩は力仕事以外あてにならないし、俺とダンジュウロウ先輩でなんとか回してるって状態なんだ」
「そぉですよぉ。健太くんが忙しいと、ゆいなとの時間が短くなっちゃうじゃないですかぁ」
「それをわたしのせいにしないでよ。直接山田に物申せばいいじゃない」
「そんなことならとっくにやってるよ。まったく効果がないからこうして姉ちゃんに頼んでるんだろ」

 なにその言い方。まるでわたしが悪者みたいじゃんか。

「もう、毎日抜け殻みたいでさ。あんなポンコツな王子、今までなら絶対にあり得ないし」
「あり得ないだなんて大げさな。山田は普段からポンコツでしょ」
「なぁ、姉ちゃん。姉ちゃんの目にどう映ってるかは知らないけどさ、シュン王子って多分姉ちゃんが思ってるような人間じゃないよ」

 じゃあどういう人間だって言うのよ。
 山田なんか、わたしの手を握るか、匂い嗅ぐか、鼻血出すくらいしかできない変態じゃない。

< 242 / 413 >

この作品をシェア

pagetop