断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第48話 王子の初恋
「もうしばらく、この老いぼれの孫自慢につきおうてくれるかの?」
「もちろんですわ」
リュシアン様を味方につけた今、山田からはうまく逃げ切れそうだし。
長話聞くくらいお安いご用だよね。
「身内が言うのもなんなのだが、シュン王子は幼いころから優秀での。帝王学に剣術、馬術から魔法に至るまで、何をやらせても完璧にこなしておった」
膝の上にあごを乗せてきたビスキュイを、リュシアン様はやさしい手つきでなでていく。
元王様の威厳はなくて、ただの近所のおじいちゃんって感じ。
そんなリュシアン様が少し残念そうに息をついた。
「おかげで早々に他人を見下し始めおってな。灸を据えようにもその優秀さから、苦言を呈することもままならん状態じゃった」
「あのシュン様がですか?」
なんか意外。
ほかの生徒にはいつでも物腰柔らかく接してるのに。
「子供のころはひねくれた可愛げのないクソガキでのぅ。何を教えてもすぐにマスターしてしまうゆえ、本人にしてみれば退屈でつまならない日々だったのやもしれん」
懐かしむようにリュシアン様は目を細めてる。その眼差しにはなんだか愛情がこもってて。
救いようのないほど生意気な孫でも、やっぱり可愛くて仕方なかったんだろうな。
「もちろんですわ」
リュシアン様を味方につけた今、山田からはうまく逃げ切れそうだし。
長話聞くくらいお安いご用だよね。
「身内が言うのもなんなのだが、シュン王子は幼いころから優秀での。帝王学に剣術、馬術から魔法に至るまで、何をやらせても完璧にこなしておった」
膝の上にあごを乗せてきたビスキュイを、リュシアン様はやさしい手つきでなでていく。
元王様の威厳はなくて、ただの近所のおじいちゃんって感じ。
そんなリュシアン様が少し残念そうに息をついた。
「おかげで早々に他人を見下し始めおってな。灸を据えようにもその優秀さから、苦言を呈することもままならん状態じゃった」
「あのシュン様がですか?」
なんか意外。
ほかの生徒にはいつでも物腰柔らかく接してるのに。
「子供のころはひねくれた可愛げのないクソガキでのぅ。何を教えてもすぐにマスターしてしまうゆえ、本人にしてみれば退屈でつまならない日々だったのやもしれん」
懐かしむようにリュシアン様は目を細めてる。その眼差しにはなんだか愛情がこもってて。
救いようのないほど生意気な孫でも、やっぱり可愛くて仕方なかったんだろうな。