断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第49話 ずっと君を探してた

「ハナコ……」

 切なげに呼びかけられても、すぐにリアクションはできなくて。
 なんだかだまし打ちを食らった気分。ちょっとリュシアン様を睨みつけちゃった。

「すまんの、ハナコ嬢。ここですぐ結論を出せとは言わん。ひとまずはシュンの話を聞いてやってくれぬか」
「わかりましたわ、リュシアン様」

 この状況じゃ逃げも隠れもできないし。
 腹を決めて山田に向き直った。

「少し庭を歩かないか?」

 山田の言葉に、思わずリュシアン様の顔を見た。
 目が合ったリュシアン様、安心しろと言わんばかりにうなずき返してくる。

「わしはここで見ているゆえ、ふたりでゆっくり話してくるといい」

 うう、ふたりきりはイヤだって言ったのに。
 山田のヤツ、声が届かない場所まで行きたいんだな。いいわよ、こうなったらこっちも言いたいこと言ってやる。
 でもリュシアン様、何かあったら助けにきてね!
 転移魔法ですぐに来てくれるって信じてるよ。

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