断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 にっこりと告げると、山田はひきつった笑顔を返してきた。
 言っとくけど、仏の顔も三度までだからね? とりあえず警告(イエローカード)一枚ってことで。

「あら、もう時間ですわね。わたくし帰らせていただきます」
「ならば馬車まで送ろう。ハナコの身になにかあっては大変だ」
「ご心配には及びませんわ。万が一のときはこれでマサトでも召喚しますから」

 指に挟んだ召喚札をぺらっと掲げる。口ごもった山田を置いて、さっさと生徒会室をあとにした。
 何コレ、爽快。
 上手いことけん制できたって感じだし、今までのストレスが嘘のよう。

 この力関係で卒業まで行けば、勝利は確実なんじゃ。
 なんて思いながら、ルンルン気分で廊下を進んでいたら。

「きゃっ」
「おっと、失礼」

 曲がった廊下で男子生徒と出会い(がしら)にぶつかった。

「いたっ。ちょっと引っ張らないでっ」

 髪が胸のボタンに絡まってるし。
 だから無理やり引っ張らないでっての!

「いま(ほど)く。少しおとなしくしていろ」

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