断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第52話 最後の攻略対象
彫りの深い甘いマスク。
イタリアにでもいそうなイケメン顔は、ゲームで見たスチルのままだ。
「こんな美人に名前を覚えてもらっているとは光栄だな。しかもあんた、シュン王子のお気に入りじゃないか」
わたしの髪に手を差し込んだ状態で、ロレンツォは意地悪そう片側だけ口角を上げた。
「あんたではございませんわ。わたくしはモッリ公爵家のハナコです」
「ハナコか。変わった名だな」
「リッチ様のお国ではそうかもしれませんが、わが国では代表的な名前ですわ」
役所の記入見本に使われるくらいにはねっ。
「ロレンツォだ。あんた、さっきそう呼んだだろう?」
だからあんたじゃないっつうの。
っていうか、ロレンツォはイタリーノ国の王子様なんだよね。ゲームでは友好の証にフランク学園に留学しに来てるって設定。
そんな相手にこれ以上不敬を働くわけにもいかないし。
「もう手をお離しください、ロレンツォ様」
「なんだ? 急にしおらしくなって」
せせら笑いながら手を引いたロレンツォ、わざとみたいに髪をひと房さらっていって。
イタリアにでもいそうなイケメン顔は、ゲームで見たスチルのままだ。
「こんな美人に名前を覚えてもらっているとは光栄だな。しかもあんた、シュン王子のお気に入りじゃないか」
わたしの髪に手を差し込んだ状態で、ロレンツォは意地悪そう片側だけ口角を上げた。
「あんたではございませんわ。わたくしはモッリ公爵家のハナコです」
「ハナコか。変わった名だな」
「リッチ様のお国ではそうかもしれませんが、わが国では代表的な名前ですわ」
役所の記入見本に使われるくらいにはねっ。
「ロレンツォだ。あんた、さっきそう呼んだだろう?」
だからあんたじゃないっつうの。
っていうか、ロレンツォはイタリーノ国の王子様なんだよね。ゲームでは友好の証にフランク学園に留学しに来てるって設定。
そんな相手にこれ以上不敬を働くわけにもいかないし。
「もう手をお離しください、ロレンツォ様」
「なんだ? 急にしおらしくなって」
せせら笑いながら手を引いたロレンツォ、わざとみたいに髪をひと房さらっていって。