断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ちょっと、マサト! どうしてこんな大事(オオゴト)になってるのよ」
(ふぁ)って王子呼んだ(ふぉう)(ふま)いもん食えるかと(ふぉも)ってさ」

 んなことフォモってんなっ。

「さぁ、ハナコ、わたしが席に案内しよう」

 山田がエスコートするみたいに手を差し伸べてきて。
 案内ってなんなのよ。このお茶会はわたし主催のハズでしょう?

 そのとき真っ赤な薔薇の花束が、突然目の前に現れた。
 うおっ、びっくりしたっ。思わず受け取っちゃったし。

「今日は逃げなかったようだな、じゃじゃ馬娘」

 げっ、ロレンツォまで。
 いや、呼んだのはわたしなんだけど、何もこのタイミングで来なくても。

「やけに外野が騒がしいな」

 ロレンツォ、山田を見て勝ち誇ったように笑ってる。
 花束を抱えてるわたしは、差し出されたままの山田の手を取ることもできなくて。
 やだっ、王子ふたりに挟まれて、この状況どうするのが正解なのよ!?

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