断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「姉上、それ俺が預かるから!」

 さっと花束がさらわれる。魔法で花瓶を取り出したかと思うと、健太はいい感じでテーブルに飾りつけた。

 ナイス健太!
 なんて喜んでたら、すかさず山田に右手を取られた。かと思うと、いつの間にか反対の手をロレンツォに握られてるし。

 両脇から手を引かれ、連行されるように席に座らされる。その上ふたりとも手を離さないままで、わたしの横に陣取った。
 オーノウっ! わたしの計画丸つぶれっ。

「これはまた豪華なお茶会ですな」

 きゃー、救世主のご登場!
 リュシアン様、今すぐこの状況をなんとかしてくださいませっ。

「あ、先生はこちらにどうぞぉ」
「ありがとう、お嬢さん」
「はぁい、ゆっくり楽しんでってくださいね♡」

 ってか、ゆいなっ。どうしていちばん遠い席に案内してんのよっ。

「ハナコ、寒かったらすぐ言うんだぞ? 魔法を使えばいくらでも温度調節してやれるからな?」
「ハナコ、またそんな髪留めなどつけて。あんたは髪を降ろした方がセクシーだと言っただろう?」

 左右から同時に話しかけられて。わたしは聖徳太子じゃないんだっつうの!

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