断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「もう! いい加減にしてくださいませっ」

 目についたティッシュを立て続けに魔法で引き抜いた。
 弾丸ティッシュはふたりの鼻を目がけ、ズボッっと穴にはまり込む。

「ふごっ」
「せっかくたのしいお茶会をと思っておりましたのに! おふたりのせいで台無しですわっ」

 あっけに取られているその隙に、山田とロレンツォから手を引きはがした。
 乱暴に椅子から立ち上がると、急なめまいに襲われる。

「姉上……!」
「これはいけませんな」

 健太が支えてくれたから、なんとか倒れずに済んだけど。
 魔力を使った反動からか、まだ景色がグルグル回ってる。

「やだぁ、ハナコ様、大丈夫ですかぁ?」

 大丈夫じゃない人間にソレを聞く?
 っていうか、ティッシュをたかが四枚飛ばしただけでこの状況……我ながらへっぽこ過ぎるっ。

「ハナコ嬢は魔力切れを起こしている様子。大事を取ってすぐに家に連れて帰ってくだされ」
「分かりました、先生。ではシュン王子、俺たち今日はこれで失礼させてもらいます」

 健太が転移魔法を使う瞬間、鼻ティッシュの山田とロレンツォと目が合って。
 けんか両成敗ってことで、どっちの肩も持たないからね!

 ってか、なにこの三角関係。
 めんどくさいこと、この上ないんですけどっ。
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