断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「留学ってことになってるけど、ロレンツォ王子、本当は人質代わりにヤーマダ国に来てるんですよ。攻略本にそう書いてあったなって」
「人質で? なんでまたそんなことに?」
「ヤーマダ国って魔法が使えるじゃないですかぁ。大昔に魔法使い狩りが行われて、イタリーノ国と大きな戦争があったって、確かそんな感じの設定でした」
「それってもう戦争はしませんって証明に、ロレンツォがヤーマダ国に来てるってコト?」

 じゃあ、万が一戦争が起きたときには、ロレンツォ殺されちゃうかもれないんだ。
 この平和ボケしたゲームの世界で戦争なんて起こらないと思うケド。
 でもそんな立場じゃ居心地悪いだろうな。ロレンツォがヒネた性格してるのも、なんか分かる気がする。

「俺もソレ初耳でさ。念のため調べてみたけど、ロレンツォ王子、この世界でもやっぱりそういう立場みたいだった」
「そう……」
「だから姉ちゃんも一応気をつけて。ロレンツォ王子と親しくなりすぎると、厄介事に巻き込まれるかも」

 気をつけろって言われても、すでに全力でそうしてるんデスが。

「まぁ、言っても百年以上は和平を保ってるし、そこまで心配はないと思うけどね」
「了解。ちゃんと気にとめとくよ」

 だけどなんか納得って感じ。あの性格悪いロレンツォがどうして攻略対象なのかって思ってたから。
 きっと影の部分見て、ヒロインが(ほだ)されてっちゃうんだろうな。

 ま、わたしは悪役令嬢だし? そんな簡単に陥落(かんらく)しないけどね!
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