断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「心配しなくっても裏切ったりしませんってば。ケンタ様はこの世界でユイナのコト、いちばん分かってくれる大事なひとですなんですよ?」

 ループ地獄にハマって、ようやくそこから抜け出そうなんだもんね。
 ゆいなも少しは学習したってことか。

「ハナコ様も真実の愛(トゥルーラブ)に出逢えるように、ユイナ全力で応援しますね♡」

 んなコトあんたの口から言われると、無性に腹が立つんですけどっ。

「ユイナ、お待たせ。あ、姉上も」

 お姉様をついでのように扱うんじゃありませんっ。
 最近の健太はゆいな最優先で、姉ちゃんちょっぴりさびしいよ。

「じゃあ、帰ろうか。ユイナ、今日はうちに泊ってくだろ?」

 モッリ公爵家でふたりはすっかり公認に仲になってたり。両親もあっという間に陥落しちゃってさ。
 ゆいなのヤツ取り入るのが上手いんだから。そう言うトコロはホント感心するよ。

「あ、姉上、ちょっと遠回りしよう。昇降口でロレンツォ王子を見かけたから」
「ありがとう、ケンタ」
「いや、ユイナまで目をつけられたら困るしさ」

 ぐぬっ、腹立つ理由だけど、ロレンツォにもてあそばれた令嬢ってかなり多いって話だからね。
 口開かなきゃゆいなも可憐な令嬢に見えるし、健太の心配も仕方ないか。

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