断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 どうして山田が?
 あ、取り巻きのひとりが呼びに行ってくれたんだ。心配そうに遠巻きにこっちを見てる。
 うう、ありがとう。授業サボらせちゃってホントごめんね。

「なんだ? シュンには関係ないだろう?」
「生徒会長として学園の風紀を乱す行為を見過ごすわけにはいかない」
「はっ、そんなセリフを貴様が言うのか? 素直にハナコを取られたくないと言えばいいじゃないか」

 壁ドンしたままロレンツォが、せせら笑いながらわたしの顔に触れてきて。

「ロレンツォ、やめるんだ」

 肩をつかんだ山田をロレンツォがギリっとにらみつけた。
 対する山田はまだ冷静さを失ってないって感じ。

「今は授業中だ。教室に戻れ」
「どいつもこいつも真面目くさりやがって」

 吐き捨てるように言うと、ロレンツォはわたしからあっさり離れていった。

「まぁいい。ハナコ、次こそ逃がさないからな」
「しつこい殿方は嫌われましてよ?」
「くくっ、そのくらいの方が落としがいがある」

 なによ、余裕ぶっちゃって。こっちは全力で逃げるっつうの。
 それにその笑い方、ほんとムカつくんですけど。

 と、そのときいきなり山田に手首を取られて。

「危ない、ハナコ……っ!」
「きゃあっ」

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