断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ちなみにシュン王子の好感度は初めっからカンストしてましたよ?」
「カンストってあなた……」

 最近の山田はすごく落ち着いてて、カウンターストップするほど思いつめてるようには見えないけどね。
 まぁ、山田ってなにやっても怒んないし、わたしに激甘のはそれが理由なのかもだけど。

「どうしてハナコ様ばっかり。ユイナにも手玉に取る秘訣を教えてくださいよぅ」
「なに言ってるの。あなたにはケンタがいるんだからそれで十分でしょう?」
「そうなんですけどぉ」

 ですけどぉ、じゃないわよ。
 この小悪魔め。本性現わしたら、すぐさまモッリ家からたたき出してやる。

「あ、ハナコ様、今日はなんの本を借りたんですかぁ?」

 ちっ、ゆいなめ、危険を察知して話題を逸らしたな。

「イタリーノ国のガイドブック? やっぱりハナコ様、ロレンツォ王子に寝返ったんだぁ」
「人聞きの悪いこと言わないで。ロレンツォ様にイタリーノの話をお聞きして、ちょっと興味惹かれただけよ」
「えー、なんかあやしぃ」

 留学のことはまだ黙ってなくちゃな。立場的にお父様の許可取らないと出国なんてできないしね。

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