断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「先生、わたくし……」
「ああ、ハナコ君、良く努力したね。たった数日でこの進歩だ。君の才能はまだまだ伸びるに違いない」

 よっしゃーっ、先生のお墨付きいただきました!

「わたくしそろそろティッシュ以外のものにも挑戦してみたいですわ」
「いや、焦らない方がいい。簡単な魔法で基礎を押さえておけば、のちのち応用が利くようになるからね」
「なるほどですわ、急がば回れですわね」
「では次の課題だ。精度はまずまずになってきたので今度は速度を増す訓練に移行しよう」
「はい、先生。ご指導のほどよろしくお願いいたしますわ」

 ちょっとスポコンなノリになってきたけど、スパルタ授業も成果が出ればだんだん楽しくなってきちゃって。
 今度は何ができるようになるんだろうって、寝る間も惜しんで課題をこなしてる。

「であるからして、この魔法の様式は……」

 実践の前に魔法の理論の講義を受けていたんだけど。
 あ、なんかくしゃみが出そう。
 とっさにハンカチで口元を押さえたものの、淑女としてちょっと恥ずかしい感じのくしゃみが出ちゃったし。

「し、失礼いたしましたわっ……きゃあっ」

 な、なんで?
 ちゃんと座ってたハズのに、いきなり椅子から転げ落ちたんですけど。真横に倒れて、思いっきり肘を打ち付けちゃったじゃない。

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