断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「いたたですわ」

 手を差し伸べてきた先生、なんだか信じられないモノをみる目つきでわたしを見てる。
 そりゃいきなり椅子から落ちたら驚くだろうけどさ。大丈夫とかちょっとくらい怪我の確認してくれたって。

「ハナコ君……きみ、いま転移魔法を使ったね?」
「……はい?」

 先生、いま転移魔法っておっしゃった?
 え、だってこのわたしが、んなバカな。

「どんな感覚だったか言ってみるんだ。こういったものは時間とともに薄れていってしまうからね」
「えぇと……くしゃみをしたらいきなり体が椅子からずれて……」

 そうよ、体がちょうど半分くらいはみ出して、それでバランス崩して真横に倒れちゃったんだよ。
 ってか、おしり半分ぶんの転移魔法ってなにっ!?

「距離は短くとも転移魔法は転移魔法だ。訓練を続ければ移動距離も延ばせるかもしれない」

 なんたること!
 ハナコってば何気に大器晩成なんじゃ!?

「とはいえ焦りは禁物だ。いずれそこを目指すにしても、魔力切れをおこさないよう今は一歩一歩基礎を固めよう」
「はい、先生……!」

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