断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ふむ、前例がないわけではないが、行ったのはみな男ばかりゆえな。しかしハナコ嬢が望むなら、わしが後ろ盾をしてやれぬこともない」
「本当ですの? わたくしうれしいですわ!」

 リュシアン様の協力があれば、安心して行って来れそう。

「その前に冬休みに一度、イタリーノ国に遊びに来ないかと誘われておりまして」
「ならばわしもハナコ嬢について行くとするかな。国王時代に何度か訪問したことはあるが、公務ばかりで楽しむどころではなかったからのぅ」
「まぁ、ぜひ! わたくしもリュシアン様とご一緒したいですわ」

 リュシアン様がいれば、ロレンツォもわたしに変なことはできないだろうし。
 そのことだけネックに思ってたんだよね。来てくれるとホント助かるよ!

「ダメだ、ハナコ!」
「しゅ、シュン様!?」

 ふぉっ、びっくりしたっ。急に背後にあらわれないでっ。
 っていうか、なにがダメだってのよ?

「冬にイタリーノに行くなど許可できない。まして留学などもっての(ほか)だ」
「まぁ、なぜシュン様がそのようなことをおっしゃいますの?」
「ヤーマダ国の王子として言っている。いくらハナコでもそのようなことは認められない」

 そんなこと言って、ハナコだからこそ許せないんじゃないの?
 リュシアン様だって了承してくれてることなのに。

< 330 / 413 >

この作品をシェア

pagetop