断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~

第63話 王子VS悪役令嬢

「それで姉ちゃん、シュン王子と魔法で勝負することになったの? 無謀(むぼう)だなぁ」
「しょうがないじゃない。リュシアン様の提案だったし、受けないと留学がパーになっちゃうんだから」
「リュシアン様……? なに姉ちゃん、いつの間に元国王までたらしこんでんの?」
「ちょっと、変なこと言わないでっ」

 危ない危ない。保健医(ヨボじい)がリュシアン様だってことは、秘密にしとくって約束だった。

「にしてもさ、なにもわざわざ魔法対決にしなくても。ほかにいい方法あったんじゃないの?」
「どのみち山田には勉強もスポーツも太刀打ちできないんだから。だったら意表を突ける魔法の方がまだ勝算があるってもんでしょ」
「ワンチャン狙いってわけ? 国一番の魔力持ち相手に、姉ちゃん強気すぎだって」

 こっちは必死なんだから、半笑いしてんじゃないっ。

「いいから健太も協力して。山田はわたしの魔法なんてポンコツだと思ってるだろうから、ソコを逆手にとって勝利をもぎ取るのよ」

 名付けて、窮鼠(きゅうそ)猫を噛む作戦。
 追い詰められたわたしの底力、山田に見せつけてやるんだから。

「こんなんで本当に上手くいくかなぁ。俺だってシュン王子には勝てる気しないってのに」
「大丈夫よ。ちゃんとハンデはもらうから」

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