断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 衝撃で山田がつんのめる。
 よっしゃ! 出だしは順調。まさか山田も背後からいきなり来るとは思ってなかったみたい。

 畳みかけるようにひざ裏にもう一発。
 たたらを踏んだ足首に、すかさず三発目を当てにかかった。

(あとひと息!)

 崩れかけた背中に、とどめのもう一発……!
 山田のひざは今にも地面につきそうになって。
 勝利を確信して手を緩めかける。だけど山田はすれすれでなんとか踏みとどまった。

 ちぃっ、しぶといヤツめっ。
 山田の後ろに回り、予備で置いてあった球を手当たり次第にぶつけていった。
 こうなったら勢いで押すしかない。

 右肩、腰、くるぶし、左肩。
 隠し持っていたボールも総動員して、とにかく投げて投げて投げつけまくった。

 不安定な体勢から立ち上がれないまま、それなのに山田は一向にひざを付いてくれなくて。
 いい加減、倒れなさいよっ。これ以上はこっちがもたなくなりそう!

 それでも根性で魔法を繰り出し続けた。
 大丈夫。わたしの魔力はまだ残ってる。自分を信じ抜きなさい、華子!

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