断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
第66話 後には引けなくて
すぐにやってきた冬休み。
ここ数日はメイドたちが旅行の準備してるのを、ソファに座ってぼんやり眺めてる。
なんだかたのしそうだな。きゃいきゃい荷造りしてて、まるで自分が行くみたいにはしゃいでるし。
わたしの留学の話は、王家主導で怖いくらいトントン拍子に進んでる。
で、その前に冬休みを利用して、一度リュシアン様とイタリーノ観光に行くことになったんだ。
これまでの努力の結果だし、わたしも大よろこびしてるとこ。
(本当なら……なんだけど)
はぁ、とため息をつくと、そばにいたメイドがびくっと体をすくませた。
「すみませんっ、うるさかったですよね! いますぐに片づけますのでっ」
「ああ、いいのよゆっくりで。むしろわたくしがここにいたらみんなの邪魔ね」
「お、お嬢様が邪魔だなんて、とんでもございません!」
最近のわたしの言動にメイドたちも戸惑ってるみたい。
以前のハナコなら、いちいち使用人に声かけることもなかったからね。仕方ないっちゃあ仕方ないんだけど。
「あなたたち、手を止めないで作業を進めなさい!」
メイド長がてきぱきと指示を出してくる。
入れ替わりの激しいメイドの中でも、彼女はいちばんの古株で。ずっと身の回りの世話してもらってるけど、そういや名前も知らないや。
ここ数日はメイドたちが旅行の準備してるのを、ソファに座ってぼんやり眺めてる。
なんだかたのしそうだな。きゃいきゃい荷造りしてて、まるで自分が行くみたいにはしゃいでるし。
わたしの留学の話は、王家主導で怖いくらいトントン拍子に進んでる。
で、その前に冬休みを利用して、一度リュシアン様とイタリーノ観光に行くことになったんだ。
これまでの努力の結果だし、わたしも大よろこびしてるとこ。
(本当なら……なんだけど)
はぁ、とため息をつくと、そばにいたメイドがびくっと体をすくませた。
「すみませんっ、うるさかったですよね! いますぐに片づけますのでっ」
「ああ、いいのよゆっくりで。むしろわたくしがここにいたらみんなの邪魔ね」
「お、お嬢様が邪魔だなんて、とんでもございません!」
最近のわたしの言動にメイドたちも戸惑ってるみたい。
以前のハナコなら、いちいち使用人に声かけることもなかったからね。仕方ないっちゃあ仕方ないんだけど。
「あなたたち、手を止めないで作業を進めなさい!」
メイド長がてきぱきと指示を出してくる。
入れ替わりの激しいメイドの中でも、彼女はいちばんの古株で。ずっと身の回りの世話してもらってるけど、そういや名前も知らないや。