断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「なによその意味深なセリフ。大使がどうかしたの?」
「ううん、なんでもない」
「なんでもないって……余計に気になるんだけど」
「ホント、なにもないって。わたしが気を回しすぎたってだけだから」
「いいからちゃんと言ってよ」

 強めに食い下がったら、未希は渋々って感じで口を開いた。

「ロレンツォルートの悪役ってシュン王子なのよ」
「山田が悪役……?」
「そ。で、ヒロインがロレンツォ王子と亡命する際に、阻止しようとしたシュン王子がイタリーノ大使に銃で撃たれて死んじゃうの」

 メインヒーローがざまぁされんの?
 キャラの使いまわし、乱暴すぎだな。ってか、どんなクソゲーよ。

「ま、ハナコは悪役令嬢だし? 華子(あんた)がイタリーノに行ったところで問題ないでしょ」
「え、でもいまイタリーノ大使、ヤーマダ国にいるんだよ? もし万が一があったら……」
「ほら、そう言いだすと思ったから話したくなかったのよ」

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