断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 馬車でお城まで行ってそこでリュシアン様と合流した。で、王族専用の転移門使って国境近くの町まで移動して。

「ここまで見送りに来てくれたのね、ジュリエッタ。まぁ、ダンジュウロウ様まで」
「ダンジュウロウ様が転移魔法で連れてきてくださいましたの」
「一度来たことがあった場所だからな。ひとを連れて長距離飛ぶいい練習になった」

 お、なんだい、ふたりとも。
 いつの間にそんな仲良さげな雰囲気になっちゃって。

「それにしてもダンジュウロウ様まで来ていただけるなんて……」
「シュン王子に頼まれたんだ。公務で見送ってやれないからと、ハナコ嬢をとても心配していた」

 よかった。山田、まだわたしのこと気にかけてくれてるんだ。

 旅行から帰ってきたら話したいことがある。数日前にそんな手紙を送ったんだけど。
 結局返事は返ってこなくって。

 もうわたしに興味なくなったのかもって、ちょっと弱気になってたんだ。
 単に忙しいだけって思いたい。

「ようやく来たか、ハナコ」
「ロレンツォ様。今回はイタリーノへの招待ありがとうございます」
「なに、帰国のついでだ。しかしこの国の移動はいつも面倒だな。転移門はいいとして、細かい移動はいまだ馬車だとか……まったく遅れているにもほどがある」

 ちょっとリュシアン様の前でなにディスってんのよ。
 ロレンツォめ、帰国できるからって気が大きくなってるっぽいな。

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