断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
花の生けられた花瓶に話しかけてるし。
わたくしの顔、そんなに大きくありませんのことよ?
「もう、ハナコはこちらです」
両手で顔を挟んで、ぐいとこちらに向けさせた。
ぎゃっ、一瞬でしかめっ面の極道顔に!
「そんな怖いお顔をしないでくださいませ」
「なに? そんなに怖いか?」
「ええ、とっても。さ、こうして眉間のおシワをのばして、視線はもっとこう、ぼんやりと遠くを見つめる感じになさって? ほら、とっても素敵なシュン様になりましたわ」
「しかしこれではハナコがよく見えないんだが」
「いいんです。わたくしはシュン様がよく見えますから」
うっとりと微笑むと、山田は不服そうに目を凝らしてきた。
「ですからそんなに睨みつけてはダメですわ。もっと力をお抜きなって。そうそう、わたくしシュン様のそのお顔がとっても気に入っておりますのよ」
「その顔と言われてもだな。わたしもハナコの顔をしっかりと見たいんだ」
眼鏡を探る手を制して、わたしは山田に顔を近づけた。
「ほら、これだけ近ければわたくしがよく見えますでしょう?」
わたくしの顔、そんなに大きくありませんのことよ?
「もう、ハナコはこちらです」
両手で顔を挟んで、ぐいとこちらに向けさせた。
ぎゃっ、一瞬でしかめっ面の極道顔に!
「そんな怖いお顔をしないでくださいませ」
「なに? そんなに怖いか?」
「ええ、とっても。さ、こうして眉間のおシワをのばして、視線はもっとこう、ぼんやりと遠くを見つめる感じになさって? ほら、とっても素敵なシュン様になりましたわ」
「しかしこれではハナコがよく見えないんだが」
「いいんです。わたくしはシュン様がよく見えますから」
うっとりと微笑むと、山田は不服そうに目を凝らしてきた。
「ですからそんなに睨みつけてはダメですわ。もっと力をお抜きなって。そうそう、わたくしシュン様のそのお顔がとっても気に入っておりますのよ」
「その顔と言われてもだな。わたしもハナコの顔をしっかりと見たいんだ」
眼鏡を探る手を制して、わたしは山田に顔を近づけた。
「ほら、これだけ近ければわたくしがよく見えますでしょう?」