断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
 鼻先すれすれまで近寄って。
 寄り目気味の山田は、わたしの理想の天使のまま見つめ返してくる。

 ずっとこの顔でいてほしいと思うけど。
 本当の山田の素顔を知ってるのは、今も昔もわたしだけなわけで。

「確かに見えることには見えるが……」
「何かご不満でも?」
「いや、こんなに近いとだな。その、わたしも我慢がきかなくなるというかなんというか……」

 しどろもどろで目を泳がせてる山田。
 困り顔もまた理想のイケメンで。

 わたしだけが会える、わたしだけの天使。
 そう考えれば、普段はむしろ瓶底眼鏡でいてくれって感じかも?

 わお、オドロキ。
 わたしってば、こんなに独占欲強かったんだ。

「あら、なぜ我慢なさいますの?」

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