断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ハナコ様!」
「あらみなさん、卒業おめでとう。今日は素敵な卒業式だったわね」

 取り巻きの令嬢たちがぞろぞろとやってきて。
 それぞれが卒業証書と花束を抱えて、いかにも卒業生って姿してる。

「ハナコ様、これ、受け取ってください……!」
「どうしてわたくしに? 卒業するのはあなたたちの方でしょう?」

 全員がわたしに花束を差し出してくる。
 それってば、自分がもらったやつなんじゃないの?

「わたくしたち、ハナコ様の同窓でいられたこと、本当にうれしく思っていますっ」
「一緒には卒業できませんでしたが、そのことを誇りに思わせてくださいっ」
「ハナコ様と共に過ごせた三年間は、わたしたちの宝物なんですっ」

 ずいっと花束を捧げられて、勢いに押されて受け取っちゃった。

「そ、そう。そんなふうに言ってもらえるとわたくしもうれしいわ」
「はいっ。わたくしたち、卒業してもハナコ様のこと、ずっとお慕いしておりますから!」
「まぁ大げさね。卒業後も社交界で会えるでしょう? みなさんのことは、これからもわたくしがしっかり面倒見て差し上げてよ?」

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