断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「違う。いつもならここでゲームのオープニングに戻っちゃってたから……」
「え……ってことは」
「うん。わたし、ゲームのループから抜け出せたみたい」

 涙の残る顔で、ゆいなはとびっきりの笑顔を見せた。

「ゆいな……!」
「健太くん……!」

 さっきまでの険悪なムードはどこへやら、今度はいちゃこらタイムに突入だよ。
 ま、ゆいなも健太もよかったね。これからはケンカするのはほどほどに、手を取り合ってしあわせになってよ。

「はいはい、分かったから。いちゃつくなら人目のないところでやってちょうだい」
「華子先輩……華子先輩がゲーム展開無視していっぱいやらかしてくれたから……ゆいな、無事にゲームを卒業できました」
「俺からも礼を言うよ。姉ちゃん、ポンコツな悪役令嬢でいてくれてホントありがとう」

 それのどこが礼なんだっつうの!
 ま、わたしも晴れてエンディング迎えたんだし?
 ここは大目にみてやるとしますか。

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