断罪ざまぁも冴えない王子もお断り!~せっかく公爵令嬢に生まれ変わったので、自分好みのイケメン見つけて幸せ目指すことにしました~
「ともかく外で素を出すのはおよしなさい。ゲームは終わったのだから、これからはユイナもきちんと貴族として生きて行かなくてはね?」
「はぁい、ハナコお姉様」
「……ユイナは無事解決としてもさ、姉上の方はゲーム延長なんじゃないの?」
「は? 延長? ケンタ、あなた何を言って……」
「だってそうだろ。シュン王子が留年になって婚約者指名のイベントも延期になったんだから。もしかしたらこのままゲーム続行かもしれないじゃん」

 ふぉっ!? そんなのってアリ!?

「え~、ハナコ様なら大丈夫だよ。シュン王子、ハナコ様にメロメロだもん」
「ま、それもそうだな。今さら姉上がギロチンエンド迎えるはずもないか」
「そんなことよりケンタさま、はやくふたりきりになれるトコ、いこ?」
「ゆ、ユイナ……」
「やん♡」

 抱き合ったまま、ふたりは転移魔法でぱっとかき消えた。

 くっそぉうっ、ひとをいたずらに不安におとしいれといてっ。
 やっぱ別れろっ。
 ドロドロの泥沼の果てに、最高の愛憎劇をもってその幕を閉じてしまえっ。

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